トランプ氏、「恩人」の疑惑に無言貫く パラダイス文書

影の案内人 パラダイス文書

「どんなささいな疑いも持たれないよう、細心の注意を払うようにしている」

2017年1月18日、米上院。ウィルバー・ロス氏は、前を真っすぐ見据えて答えた。米トランプ政権の商務長官に就任するのを前に、利益相反を問われた際のことだ。

パラダイス文書は、トランプ政権中枢のロス米商務長官が、ロシア・プーチン大統領に近い企業とひそかに利害関係を持っていたことを暴き出した。秘匿性の高いタックスヘイブン(租税回避地)によって、これまでは隠されていた事実だった。

80歳の大富豪。投資家として数々の低迷企業を立ち直らせ、「再建王」の異名を持つ。商売柄、幅広い業界の株を保有してきた。

トランプ氏との出会いは1990年。カジノ計画で金回りのトラブルを抱え、債権者に追放されそうになっていた。カジノ倒産に待ったをかけたのが、債権者集団代表のロス氏だった。

リムジンに乗るトランプ氏を一目見ようと聴衆が殺到する光景に「まだまだ値打ちがある大物」と判断したとされる。トランプ氏はビジネス界にとどまり、結果的に大統領まで上り詰めることができた。

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