「リアルすぎる」ミニ姫路城、退職金つぎ込んで手作り

「想像以上にすごかった」 「圧巻でした」

ツイッターに城を称賛するコメントが並ぶ。

でも、世界遺産姫路城兵庫県)に向けられたものではない。本物を精巧に再現した「ミニ姫路城」が、三重県伊勢市にあるという。

外国人観光客も訪れるという「リアルすぎる」城。この目で確かめようと、現地へ向かった。

伊勢市駅からタクシーに乗り、「姫路城へ」と伝えると、「ああ、あそこね」と運転手。地元では有名なスポットらしい。揺られて約20分。静かな住宅地を奥に進むと、突如として姿を現した。

入り口に「白鷺苑(はくろえん)」の文字。住宅の庭いっぱいに城が広がっていた。敷地約150平方メートル。大天守だけでなく、現存しない西の丸の御殿や備前丸の建物など、400年前の姿が復元されている。

「城主」の井村裕保(ひろやす)さん(80)は元会社員。1989年から18年かけ、本物の23分の1サイズで城を築いた。

姫路城と出会ったのは中学2年のとき。購入した少年雑誌の付録が厚紙でつくる姫路城だった。白く優美な姿に魅せられた。「いつかもっと大きな姫路城を」。そんな思いが心に残った。

47歳の誕生日。妻の郁子さん(76)が姫路城の専門書をプレゼントしてくれた。設計図を見て「自分でもつくれる」と直感した。中学卒業後、5年ほど家具職人として働いた経験があった。

まず土地探しから始めた。電柱や家などが背景に入り込まない場所にこだわり、3年後、裏に田んぼと山しかない理想の土地を見つけた。

ASAHI.COM

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