復活アイボ、死守した「役に立たない」というコンセプト
ソニーの初代アイボの生みの親で、ロボット開発のリーダーだった土井利忠元上席常務(75)に今回のアイボ復活の評価を聞いた。
――今回のソニーのアイボ再開をどう評価していますか?
「アイボの問題というよりもソニー全体の問題ですが、ソニーは1995年ごろから落ち込み始め、長らく低迷してきたんです」
「ソニーはね、いまはやりの電気自動車の開発も1960年代には始めていたのです。電池の研究者が、これからは電気自動車の時代だ、と提案した。それを創業者の井深大さんが『よし、やろう』と。大手自動車メーカーから車体の設計ができる専門家をスカウトして、本格的に電気自動車の開発を始めた。ところが、その時点のモーターや電池の技術では電気自動車の実現は無理だった。でも、そのおかげで電池の技術の蓄積があったからリチウムイオン電池を世に問うことができた。当時のソニーには到底、無理だろうと思えるような“夢”に挑戦するプロジェクトが山のようにあったんです」
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