尖閣沖航行の中国潜水艦、攻撃型原潜と判明 防衛相発表

小野寺五典防衛相は15日、沖縄県尖閣諸島沖の日本の接続水域で11日に潜没航行した中国軍の潜水艦について、「商(シャン)級」の攻撃型原子力潜水艦との分析結果を発表した。浮上時に海上自衛隊護衛艦が撮影した潜水艦の形状などから判断した。「原潜は長時間、深く潜航することができ、より発見しにくい。しっかりした警戒監視態勢を維持していきたい」と述べた。

防衛省によると、攻撃型原潜は巡航ミサイル発射が可能である点が特徴で、「商級」は「漢(ハン)級」に次ぐ第2世代の攻撃型原潜。小野寺氏は「このクラスの潜水艦に搭載される巡航ミサイルが長射程ということは認識している」と指摘しつつ、「今回搭載しているかどうかは分からない」と語った。

小野寺氏は中国に対し、「潜水艦の艦種がなんであれ、国際的な常識から言って潜水艦が潜航したまま相手の領海近くを航行することは、あってはならない」とあらためて批判した。

今回「商級」と判明した原潜は11日午前に接続水域を潜航した後、12日午後に尖閣諸島北西の東シナ海の公海上で浮上し、中国国旗を掲げた。政府は引き続き潜航させた意図などについて調べている。

尖閣周辺では15日、日本の領海に中国海警局の公船3隻が侵入。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が在日中国大使館の劉少賓公使に電話で「尖閣諸島は我が国固有の領土であり、領海侵入は断じて容認できない」と抗議した。同省によると、劉氏は尖閣諸島は中国の領土だとして、抗議は受け入れられないとの中国の立場を説明したという。

中国公船による尖閣周辺での領海侵入は今年2回目。菅義偉官房長官は同日の定例会見で「領海侵入は極めて遺憾。政府として厳重に抗議する」と述べた。(相原亮)

ASAHI.COM

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