幻の京都銘菓パサンのいま サクサク食感・素朴な甘さ
あま~いパサンはコーヒーの苦みともよく合う。一口食べれば、パサンに描かれた伊藤軒のキャラクター「パサンくん」みたいにニッコリ笑顔=滝沢美穂子撮影
「まだまだ勝手に関西遺産」
年末になると、京都のスーパーに並ぶ焼き菓子がある。その名は「パサン」。そんな話を知り合いから聞き、暮れの京都へと向かった。
だが何軒かのスーパーを回っても、どこにも見当たらない。「フレスコ」を展開するハートフレンド(京都市)によると、2年前までは確かに取り扱っていたが、製造元が廃業し、もう置いていないのだという。
もしや、もう食べることができない幻のお菓子なのか?
京都焼菓子組合の西村康宏理事長(79)に聞くと、戦後の京都でよく作られていたが、小さな店が多く、経営者の高齢化による廃業も増え、今はあまり製造されなくなったという。
そんな中、伊藤軒(京都市伏見区)が「京しおり」(1袋税込み410円)というお菓子の詰め合わせの中の一つとして製造していると聞き、訪ねた。
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