ストーカー加害者、4人に1人は自覚なし 初の心理調査
ストーカー行為の加害者の4人に1人が自覚がない――。ストーカー加害者の心理に関する初の調査結果を、警察庁が25日発表した。同庁は「自覚がないままだと重大な結果を引き起こす可能性がある」と指摘。加害者に治療を促す取り組みを進めているが、拒まれるケースが多い。
昨年5月までの約1年間に、ストーカー規制法に基づく禁止命令や警告を受けるなどした加害者117人に対し、静岡県警が調査を実施した(104人が回答)。
複数回答で聞いたストーカー行為をしていた時の気持ちについては「元の関係に戻りたい」(41・3%)が最も多く、「自分を理解してほしい」(30・8%)、「憎しみや怒りがある」(26・9%)が続いた。「ストーカー行為をしていると思っていない」という回答も25%あった。加害者の9割は男性で、被害者の5割近くが当時や以前の交際相手だった。
ストーカー対策の一環として、全国の警察は昨年度から本人の同意のもとで心理状態などを地域の精神科医らに相談し、必要に応じて治療を促す取り組みを始めている。警察庁によると、加害者への働きかけは昨年4~12月、36都道府県警で522人に実施。3割の162人が同意して108人(男性85人、女性23人)が受診したが、7割近くの360人には拒否された。(浦野直樹)
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