築50年「住み心地良かった」 札幌・火災の施設
火災があった建物=1日午前0時23分、札幌市東区、弓長理佳撮影
11人が死亡した札幌市の「そしあるハイム」の火災。関係者によると、建物は生活困窮者の就労支援が目的で、警察からの連絡などをもとに受け入れを決めていたという。居室は1人部屋で、浴室やトイレは共同、食堂もあった。家賃は月3万6千円。月2万円を追加すれば、3食付きになった。ほかに光熱費などもいるという。10年ほど前から入居している人もいれば、火災の数日前から暮らし始めた人もいた。建物に管理人がいるのは午前7時半~午後5時半。夜間は入居者だけになり、玄関の鍵は入居者がしめていたという。
元スタッフによると、希望に応じて食事を提供し、病院の送迎や買い物の手助けなどもしていた。入居者は運営側で面談をするなどして決定。8年前から2年ほど住んだという札幌市東区内の男性(61)は「8畳の部屋に住み、食事の提供も受けた。住み心地は良かった」と話す。
札幌市消防局などによると、建物は50年ほど前に建てられ、2004年までは旅館として使われていた。現在、消防法上は、消火器や自動火災報知設備、漏電火災警報器などの設置が義務づけられている。スプリンクラーの設置義務はなく、設置されていなかった。
過去には、灯油タンクを置くのに必要な看板を設置しておらず改善を指導したことがある。2階には避難用の折りたたみ式階段が2カ所、自主的に設置されていて、16年12月の検査では違反は見つからなかったという。
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