小平奈緒と李相花の友情物語、韓国でも熱視線「美しい」

平昌(ピョンチャン)冬季五輪スピードスケート女子500メートルで小平奈緒選手が金メダルを獲得し、一夜明けた19日、開催地・韓国のメディアは、国民的英雄である李相花(イサンファ)選手の「五輪3連覇」が未完に終わったことを惜しみつつも、2人が氷上で抱擁する場面を大きく紹介した。2人の友情に触れつつ、「美しいフィナーレを残した」(聯合ニューステレビ)などと報じた。

「小平“あなたを尊敬します”・・・李相花“あなたも立派です”」

主要紙「東亜日報」は五輪特集面で、2人がレース後に氷上で交わした会話を見出しに取り、日の丸を肩にまとった小平選手が太極旗(韓国国旗)を持った李選手を抱きしめる写真を大きく掲載した。

李選手は韓国では「氷速女帝」と呼ばれる。バンクーバー五輪ソチ五輪で2連覇し、36秒36の世界記録を持つスーパースターだ。今回の韓国選手団の中でも、特に期待された選手だった。

東亜日報の記事では、李選手は一昨年と昨年、ひざの負傷によるスランプに苦しみ、同時期に小平選手が急浮上したことが「心の重荷になった」と指摘。10代の時に国際大会で小平選手と出会って以来、友情を育んできたが、スランプの時期には小平選手の名前を呼ばず、代わりに「その選手」と呼ぶようになるなど、心が揺れたこともあったとした。

主要紙「ハンギョレ新聞」も、涙を流す李選手を小平選手が抱きしめる大きな写真を掲載。李選手が「(レース後、小平選手と)お互いに誇らしい、学ぶ点が多いという会話を交わした」と紹介。李選手が金メダルを逃したことを惜しみながらも、「李を追い越したのは、それだけ小平が血のにじむような努力をした証拠」とたたえた。(江陵=武田肇

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