【速報中】山尾氏、首相の改憲で「違憲論なくならない」

衆院予算委員会で「働き方改革」などをテーマに集中審議が開かれています。野党各党は安倍晋三首相に対し、裁量労働制に関する答弁を撤回した問題などを追及。立憲民主党山尾志桜里氏は、首相の9条改憲案や待機児童問題も取り上げました。首相や閣僚はどう答えているのでしょうか。タイムラインで論戦を追います。

希望・後藤氏も追及 「平均的な者」とは?(16:00)

希望の党の2人目、後藤祐一氏も統計の信用性を追及した。

今回の問題では「平均値」ではない「平均的な者」という数字が出てきた。そもそも「平均的な者」はどうやって決めていたのか、と後藤氏が話を進める。ある会社で労働時間が9~10時間の人が最多で6人いて、それぞれ9時間10分、20分、30分、40分、50分、10時間だった場合、誰を取るのかと質問した。

加藤勝信厚生労働相は「実際はもっと複雑だが、端的に言えば、どれか一つを抽出する」。後藤氏は「驚きの答弁だ。誰を取っても良いのか。恣意(しい)的になってしまう」と批判した。

首相の答弁姿勢、厚労省の責任を強調

働き方改革を巡るデータ問題では、安倍晋三首相の答弁姿勢も焦点の一つだ。撤回後に首相が初めて出席した20日の衆院予算委員会では「詳細について答弁するのはもちろん厚生労働相」「答弁が厚生労働省から上がり、参考に答弁した。これ以上ではない」と、厚労省の責任を強調した。

また首相はこれまで、学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長の発言や関連報道を「真っ赤なうそ」「裏付けもしない」と批判してきた。野党は「総理自身もそうじゃないか」(立憲民主党長妻昭氏)と批判を強めている。

津村氏、アルマーニ制服問題「義務教育の私費負担、保護者に過重」(15:45)

東京・銀座の公立小学校での「アルマーニ制服」問題が今月8日に続き、取り上げられた。希望の党・津村啓介氏は「義務教育の私費負担が保護者にとって過重。検討状況は」と質問し、文部科学省の対応をただした。

林芳正文部科学相は「保護者負担が過剰にならないよう留意する必要がある」と指摘。「固有名詞を出すと影響あるので、『ご指摘の件』」とした上で、「よく話し合って関係者で合意をみていただきたい。(私費負担に)配意されるように、新たな通知の発出含めて検討したい。具体的にいつまでとは至っていない」と応じた。

希望・津村氏、4段階のミスを指摘 「統計、非常に信頼性欠ける」(15:15)

5人目の質問者は希望の党・津村啓介氏。「厚生労働省のデータ問題に、大きな時間を割きたい」と宣言して質問に入った。

津村氏は問題を整理した。①調査の手法が「監督的手法」のためのバイアス、②年間比較をするのにサンプルを月間ベースで出している、③誤入力という現場の不適切な処理、④数字がまとまった後の不適切な比較――と4段階でのミスを指摘した。「この統計はあらゆる段階で間違ったバイアスがかかっており、非常に信頼性に欠ける」と訴えた。

立憲・逢坂氏「誠実さに欠ける」と批判 裁量労働制のデータ問題(14:35)

立憲民主党逢坂誠二氏が質問に立った。不適切な比較データ問題を巡る、これまでの政府答弁との矛盾を突いた。

データには117件の不自然な点があることが判明している。「19日時点での『調査は適正だ』という答弁は間違いか」と逢坂氏。加藤勝信厚生労働相は「その段階でも、いくつか不整合があるとは申し上げた」と釈明した。

また逢坂氏は、調査の原本が見つかったことについても「『原票がない』という(14日の)答弁は誤りか」と指摘。加藤氏は「その時は『ない』と聞いていたので、『原本そのものはないが打ち込んだデータはある』と申し上げた」と説明した。逢坂氏は「なぜストレートに(間違いと)言わないのか、誠実さに欠ける」と批判した。

山尾志桜里氏、首相の9条改憲案を追及 自衛隊「合憲違憲の議論の余地なくならない」(14:10)

立憲民主党山尾志桜里氏は待機児童問題に続いて、安倍晋三首相憲法論争を挑んだ。

首相は憲法9条1、2項を残した上で自衛隊について書き込み、自衛隊についての違憲論争をなくすと主張している。山尾氏は「合憲違憲の議論は、自衛権の行使が9条2項に違反するのではないかという関係で言われてきた。首相提案が2項をそのまま残す以上、合憲違憲の議論の余地はなくならない」と指摘した。

首相は「どう書くか自民党で議論がなされている。政府としては9条1、2項がある上で自衛隊は合憲という立場を取っている」と述べるにとどめた。

立憲・山尾志桜里氏、首相に待機児童のデータを追及 「根拠が薄弱、正当じゃない」(14:00)

立憲民主党山尾志桜里氏が質問に立った。昨年10月の衆院選以降、国会の「花形」と言われる予算委員会への登板は初めて。「得意分野」とする待機児童問題についての「データ問題」を取り上げた。

山尾氏は、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を整備する政府方針が、十分なデータに基づくのか質問。「3年後(20年度)なのに5年後(22年度)の就業率を使う試算は間違っている。根拠が薄弱、正当じゃない」と批判した。安倍晋三首相は「22年の前に前倒しして実行することが大切だ」と反論した。

公明・佐藤氏、政府に「極めて不適切、猛省促したい」 裁量労働制のデータ問題(13:50)

公明党佐藤茂樹氏が2番手の質問者。裁量労働制を巡る不適切な比較データ問題について、「性格の異なるデータを比較したことは、政府として極めて不適切であって、答弁の信頼性を揺るがしかねない事態。猛省を促したい。政府は今後、緊張感を持って国会審議に対応していただきたい」と注文した。

与党の立場でありながら、問題の深刻さを訴えた佐藤氏。続けて安倍晋三首相が答弁したが、この部分についての言及はなかった。

野党は「捏造」、政府は「不適切」 異なる呼び方

働き方改革を巡るデータ問題は、与野党で呼び方が異なっている。

野党は「働き方改革虚偽データ疑惑」と呼んで、厚生労働省から共同でヒアリングを開いている。「不適切というより、故意に捏造(ねつぞう)した」(希望の党・山井和則氏)として、「捏造」「虚偽」とみなす。

一方、政府は「不適切な対応だった」(加藤勝信厚生労働相)とするにとどめている。加藤氏は「担当者はデータの選び方が異なっていると認識していなかった」とも述べており、あくまで過失であって故意ではない、との立場だ。

自民・宮下氏「裁量労働制、全否定は疑問だ」(13:10)

質問の「トップバッター」は自民党宮下一郎氏。働き方改革を巡る不適切な比較データ問題が政権を揺るがす中で、与党は何を問うのか。

宮下氏は「裁量労働制が過労死の元凶と主張する委員も多いが、全否定は疑問だ」とした上で、「過労死をなくす対策にどう対応するか」とただした。

加藤勝信厚生労働相は「裁量労働制で長時間労働になるのではないかとの指摘にはしっかり対応する」と強調。労働時間を把握する、指針を定め監督する、監督行政で実態把握する、通報・相談体制を取るといった対策を列挙した。

首相出席で審議始まる(13:00)

22日午後1時から、安倍晋三首相が出席して、衆院予算委員会の「働き方改革」などに関する集中審議が始まった。

首相が答弁を撤回

働き方改革を巡るデータ問題の発端は1月29日だった。この日の衆院予算委で、立憲民主党長妻昭氏が「裁量労働制を拡大すると過労死が増える」と批判したのに対し、安倍晋三首相は反論し「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いデータもある」と述べた。

この「データ」への疑問が相次ぎ、首相は2月13日、「答弁した段階では確かに厚生労働省にそういうデータがあった。精査する」と軌道修正。翌14日に「1月29日の私の答弁は、撤回をするとともに、おわびを申し上げたい」と表明した。(山岸一生)

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