国を挙げてフィギュア強化 生存競争で残った2人が火花

写真・図版練習するアリーナ・ザギトワ=白井伸洋撮影

女王エフゲニア・メドベージェワと、新星アリーナ・ザギトワ。23日、ロシアからの五輪選手(OAR)の2人による平昌五輪フィギュアスケート女子の金メダル争いは、ザギトワが制した。

まず滑ったのはザギトワ。今季シニアデビューしたばかりの15歳だ。今年1月の欧州選手権(モスクワ)で、2015年11月以来、無敗を続けていたメドベージェワを破った。この日も、基礎点が1・1倍になる後半に全七つのジャンプ要素を跳んだ。女子で最高難度の連続ジャンプを、疲れた状態で跳べるだけの技術力の高さがある。

世界選手権2連覇中のメドベージェワのフリーは、トルストイの名作「アンナ・カレーニナ」。最終滑走だった18歳の女王は、その表情と動きで、不倫に走り、苦悩の末に鉄道自殺を図る女性の物語を巧みに表現した。昨年11月、右足甲の骨にひびが入っていることが明らかになったが、大舞台に間に合わせてきた。

ともに同じクラブで同じコーチの指導を受ける。2人が所属するクラブがモスクワの「サンボ70」。五輪選手を養成する国家指定の特別クラブだ。技術も表現力も存分に高められる環境が、ここにはある。

ASAHI.COM

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