鍵は後半ジャンプ メドベとザギトワ、1.31差を解説
女子シングルで優勝したアリーナ・ザギトワ(右)と2位のエフゲニア・メドベージェワ=遠藤啓生撮影
世界女王のエフゲニア・メドベージェワの演技も素晴らしかった。だがシニア1年目で15歳のアリーナ・ザギトワが、今季無敗で五輪の頂点に駆け上がった。23日にあった平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子フリー。21日のショートプログラム(SP)に続いて上位選手が持ち味を十分に発揮し、五輪史上に残る名勝負が紡ぎ出された。
ともにロシアから個人資格で参加したザギトワとメドベージェワによる頂上決戦。金メダルと銀メダルを分けたわずか1・31点の差を生んだのは、ザギトワのずば抜けた修正力だ。
先に演技したザギトワは、出場選手で唯一、七つのジャンプ要素を得点が1・1倍になる後半に跳ぶ演技構成。最初に跳ぶ予定だった女子で最高難度の3回転ルッツ―3回転ループを連続ジャンプにできなかった。並の選手なら、一気に崩れるかもしれない場面だ。しかし、ザギトワは違った。
終盤に単独で跳ぶ予定だった3回転ルッツに3回転ループを付け、出来栄え点(GOE)で1・70点を加点し、13・91点。ミスを帳消しにして、団体で出した自己ベスト(158・08点)に迫る156・65点を出した。
メドベージェワは最終滑走の重圧を振り払い、ノーミスの演技。演技構成点は全体1位の77・47点をマークし、自己2番目の高得点となる156・65点で、フリーは1位となった。だが、3回転の2連続ジャンプを演技後半に2本跳ぶ予定が、うち1本を冒頭に跳んだ。予定通り後半に決めていたら、GOEを含めて1点以上の上積みが可能だった。
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