113連敗「ハルウララ」愛されて22歳 穏やかな余生
ハルウララ(左奥)の世話をしているマーサファームの宮原優子さん=御宿町
負けても負けてもひたむきに走り続けて話題になった元高知競馬の牝馬(ひんば)ハルウララが、引退後を過ごす千葉県御宿町の牧場「マーサファーム」で27日、満22歳の誕生日を迎える。レースから遠のいて久しいが、やんちゃでマイペースな気質は変わらないまま。訪れる人たちに元気な姿を披露している。
吐く息が白い2月上旬の寒い日、ファームを訪ねた。小柄な鹿毛のハルウララは、背中を地面にこすりつけて「砂浴び」をしたり、妹分のマーキュリー(6歳メス)と追いかけっこをしたり。気の向くまま奔放に駆け回る姿が印象的だった。
ここで馬たちの世話をする宮原優子さん(35)は「性質は変わっていないですよ。短気で乗馬には向きません」と笑う。最初の印象は「気が小さいのにエラそう」。寂しがりで怖がりなのに、強気な一面もあるという。
2003年に一躍メディアの脚光を浴びたハルウララは高知競馬で113連敗し、未勝利のまま06年に競走馬としての登録を抹消。栃木や北海道などを点々とした末、12年12月に同ファームに預けられた。
その後、宮原さんが代表を務める「春うららの会」が馬主に。「波瀾(はらん)万丈な馬生を送ったハルウララに穏やかな余生を」との思いに賛同した約70人から集めた会費を飼育費にあてている。
やんちゃなハルウララも、ファーム暮らしが5年を過ぎ、最近はだいぶ落ち着いてきたという。午前は放牧で運動し、午後に昼寝をするのが日課だ。人間でいえば70歳前後とされるが、宮原さんは「父馬も長寿だったので、うーちゃん(ハルウララ)もきっと長生きだと思う」と話す。
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