【速報中】首相、高プロ撤回「その考えない」働き方改革
参院予算委で、共産党の小池晃書記局長の質問に対する財務省の太田充理財局長の答弁内容に関して、委員長席に詰め寄る与野党の理事ら。中央は安倍晋三首相=2日午後1時6分、岩下毅撮影
2日も参院予算委員会の審議に、安倍晋三首相や閣僚が出席。働き方改革関連法案で首相が「全面削除」を表明した裁量労働制の対象拡大や「高度プロフェッショナル制度」導入のほか、森友学園問題などをめぐり、論戦が交わされています。午後の審議をタイムラインで追います。
自民の金子委員長、閣僚に再答弁求めることも
テレビ中継も多く、野党が正面から論争を挑む予算委は、委員長の差配が重要だ。衆院では、裁量労働制を巡る不適切データ問題で河村建夫委員長(自民)が真相解明に消極的だったなどとして、野党が解任決議案を出す事態にもなった。
野党の要望を取り入れながら、与党の目指す日程内で運営するのが委員長の手腕だ。金子氏はここまでの審議で、閣僚の答弁が不十分だと改めて答弁を促す場面が複数回あった。
首相、改憲「我が党から『総理は黙ってもらいたい』との意見強い」(15:00)
2時間に及んだ小池晃氏(共産)の質問が終わり、片山虎之助氏(日本維新の会)が立つ。まず憲法改正を取り上げ、「教育無償化を国の責務にしなければいけない。総理にお願いしたい。柔軟でおおらかな対応を」と求めた。
安倍晋三首相は「個別具体的な内容は国会の憲法審査会で議論されるものだ」とした上で、「私自身の考えを述べるのは控えたい。我が党からも『総理大臣は少し黙ってもらいたい』との意見が強いものだから」。片山氏は「総理も黙るものと黙らないものがあるっちゅうことですな」と皮肉交じりで応じた。
高プロの年収の基準は? 共産・小池氏が加藤厚労相にただす(13:45)
高度プロフェッショナル制度(高プロ)の基準は年収1075万円。小池晃氏(共産)は、長時間労働が年収を押し上げて「基本給5、600万円で残業代合わせて1075万円超」の人も対象かをただした。
加藤勝信厚生労働相は「残業は確実に見込まれないから、対象にならない」と説明。小池氏が「昨日はなるとの回答が厚労省からあった」と念を押すと、「残業代含め1100万の方が高プロに変わり、1100万円払うならもちろんクリアする。800万なら対象外」と説明を補った。
首相、高プロ撤回「その考えはない」(13:30)
政府は、今国会に提出予定の「働き方改革」関連法案から、裁量労働制の対象拡大を削除すると決めている。小池晃氏(共産)は、高度プロフェッショナル制度についても「撤回すべきではないか」と求めた。
安倍晋三首相は「その考えはない。理由は大臣から答弁させる」とのみ答弁。加藤勝信厚生労働相は「(健康確保)措置をしっかり取りながら、高度な技能を持つ方々が意欲や能力を発揮できる仕組みをしっかり組み込んでいくことが、多様な選択肢の提供につながる」と理解を求めた。
共産・小池氏「書き換え、重大な問題」森友文書(13:30)
森友学園問題にからむ財務省の文書書き換え疑惑で焦点になっている決済文書は、昨年、国会議員の求めに応じて財務省が開示したものだ。だが、開示文書は省内で決済された当初の文書と内容に違いがあり、問題発覚後、文言が書き換えられたり削られたりした疑いが浮上している。
小池晃氏(共産)は「重大だ、これは。委員長、当委員会が求めた開示資料が書き換えられていたという重大な問題です。直ちに委員会として調査、報告を求めてください」と要求。金子原二郎委員長(自民)が「後刻、理事会で協議をさせていただきます」と引き取った。
財務省「国政調査権も踏まえて適切に対応」(13:20)
森友学園問題を巡る財務省の文書書き換え疑惑で、財務省の太田充理財局長は午後1時20分、再三のやりとりの末、文書についての調査は行うことを認めた。
「捜査に対する影響を十分配意しつつ、調査してまいりたい。その上で捜査の最終的な影響も十分見極めながら、私どもとして(国会の)国政調査権も踏まえて適切に対応したい」と太田氏。質問者の小池晃氏(共産)は「なんでこんなことが(最初から)答えられないのか」とあきれた。
野党が抗議、審議紛糾 財務省は「捜査中」理由に回答拒否繰り返す(13:10)
森友学園問題にからむ財務省の文書書き換え疑惑を巡り、参院予算委員会の審議が紛糾している。財務省が「捜査中」を理由に、元の文書の存在の有無についての回答を拒んでいるため、野党側が抗議し、断続的に審議が中断している。
小池晃氏(共産)は「今までだってリーガルチェックなど文書を出している。何でこれだけ出さないのか。何でこれだけ捜査に影響が出るのか」と「元の文書」の開示を求める。太田充理財局長は「誠心誠意調べて答えているつもりだ。何度も申し上げているが、捜査が行われており、答弁は差し控えさせて頂いている」と繰り返す。
共産・小池氏、麻生財務相に「元の文書出して」森友問題を追及(13:00)
午後1時、参院予算委員会の午後の審議が始まった。午前に続き小池晃氏(共産)が質問する。予告通り、森友学園問題を巡る財務省の決裁文書書き換え疑惑から入った。「麻生大臣、元の文書出して下さい」
麻生太郎財務相は「大阪地検の捜査を受けている最中。財務省は捜査に全面協力している。ご質問にお答えするのは、捜査にどのような影響を与えるか予見しがたいため差し控えさせていただく」と午前中と同じ答弁。小池氏がさらに追及すると「手元にその資料(文書)、一切ない」とも述べた。
共産・小池氏、13時からの質問「森友学園問題から入りたい」(12:00)
参院予算委員会は午前9時から開かれている。午前の最後の質問者は小池晃氏(共産)。裁量労働制の不適切データ問題について「安倍政権として偽りの答弁を繰り返してきた。総理自身の責任をどう考えるか」と追及。安倍晋三首相は「答弁について撤回しおわびした。厚生労働省でデータについて精査をしている」と繰り返した。
小池氏の持ち時間は午前と午後にまたがる。「森友学園の問題から、午後入りたいと思います」と予告して、予算委は昼休みに。午後1時から、森友学園(大阪府)への国有地売却を巡る決裁文書を財務省が書き換えていた疑いが取り上げられそうだ。
麻生財務相「捜査への影響、予測しがたい。答弁は差し控えねば」森友文書
森友学園(大阪府)への国有地売却問題が発覚した後、財務省が決裁文書を書き換えていた疑いは、朝日新聞が2日付朝刊1面で報じた。
午前の参院予算委員会では、宮本周司氏(自民)も事実関係をただした。麻生太郎財務相は「現在、大阪地検において捜査が行われている。財務省は捜査に全面的に協力している段階であり、お答えすることが捜査にどのような影響を与えるか予測しがたいため、答弁は差し控えねばならない」と述べるにとどめた。
宮本氏が「状況は理解できた」と応じると、議場から一斉に笑い声とヤジが起こった。午後の野党の質問が注目される。
参院予算委は2日目
参院予算委員会で審議されているのは、2018年度予算案。衆院本会議で2月28日深夜に自民、公明両党による賛成多数で可決され、参院に送られてきた。
参院予算委では3月1日に全閣僚が出席する審議が始まり、安倍晋三首相が、提出予定の「働き方改革」関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除する方針を説明した。今日は審議2日目にあたる。
予算は国民生活への影響が大きいため、憲法の規定で衆院通過後30日で自動的に成立する。もし参院審議が長引いても、17年度内の成立は確定している。(山岸一生)
森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える
学校法人・森友学園(大阪市)との国有地取引の際に財務省が作成した決裁文書について、契約当時の文書の内容と、昨年2月の問題発覚後に国会議員らに開示した文書の内容に違いがあることがわかった。学園側との交渉についての記載や、「特例」などの文言が複数箇所でなくなったり、変わったりしている。複数の関係者によると、問題発覚後に書き換えられた疑いがあるという。
内容が変わっているのは、2015~16年に学園と土地取引した際、同省近畿財務局の管財部門が局内の決裁を受けるために作った文書。1枚目に決裁の完了日や局幹部の決裁印が押され、2枚目以降に交渉経緯や取引の内容などが記されている。
朝日新聞は文書を確認。契約当時の文書と、国会議員らに開示した文書は起案日、決裁完了日、番号が同じで、ともに決裁印が押されている。契約当時の文書には学園とどのようなやり取りをしてきたのかを時系列で書いた部分や、学園の要請にどう対応したかを記述した部分があるが、開示文書ではそれらが項目ごとなくなったり、一部消えたりしている。
財務省「決裁文書、開示したものだけ」 書き換え指摘に
森友学園との土地取引の際に財務省が作成した決裁文書が、契約当時のものと、問題発覚後に国会議員に開示したもので内容に違いがあることがわかった。財務省の中村稔・理財局総務課長は1日、決裁後に内容が変更されていないか、との朝日新聞の取材に対し、「我々が決裁文書として持っているものは、情報開示請求などに出しているものだけだ」と答えた。
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