新燃岳の溶岩急拡大、火砕流発生の恐れも 衛星画像解析
3月7日午後1時ごろの新燃岳火口。パンケーキ状の溶岩が直径約550メートル確認できる。半日ほどで100メートル大きくなった(国土地理院提供)
宮崎・鹿児島県境の霧島連山・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)の火口内で、新たな溶岩が急拡大している。国土地理院が地球観測衛星だいち2号の画像を解析したところ、6日午後11時半ごろは直径約450メートルだったが、7日午後1時ごろには約550メートルまで広がっていた。気象庁は噴火警戒レベル3(入山規制)を継続し、火口から2キロ圏で火砕流に、3キロ圏で大きな噴石に警戒を呼びかけている。
国土地理院によると、溶岩は火口内にパンケーキ状に広がっている。東端は標高約1370メートルで火口の壁に接しており、西側に広がっている。西側の火口の壁は東側より低い1355メートルほどだという。東京大の中田節也教授(火山学)は、「仮にこのままの速度で広がり続ければ、数日中に火口からあふれる恐れがある」と指摘する。その場合、崩れた溶岩が砕けて火砕流が発生する可能性もあるという。
新燃岳は1日に約4カ月ぶりに噴火。6日午後には7年ぶりに爆発的噴火を起こすなど、活発な活動を続けている。(福井悠介)
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