冷や飯・風呂は最後…「嫁」もう嫌 30年耐え死後離婚
生前、つらく当たられた夫の仏壇には、もう長く手を合わせていない。「『死んだら仏』と言われても、心はうそをつけない」=岩手県内
結婚は「家に入る」ことではないのに、そんな意識に基づく慣習は今も残っています。呪縛から自由になろうともがいた女性たちの話です。
岩手県内に住む女性(55)は30年ほど前、実家が専業農家の男性と結婚した。夫の両親は同居して農業を手伝うことを望んだが、勤めを辞めたくない夫は「こいつが同居をいやがっている」と断った。
不満の矛先は自分に向かった。夫の両親は「使えない嫁だ」と言い捨てた。
夫の実家では、夫と義父の前に炊きたてのご飯、女性と義母には残り物の冷たいご飯がよそわれた。「母親が冷や飯を食べているのに、なんとも思わないの」と夫に尋ねると「なんでだ?」と返ってきた。入浴は義母に続いて女性が最後で、風呂掃除もセット。「『嫁』は家で序列が一番下だ」と分かった。
ASAHI.COM