「偽善者め」告発状問題で学生に「風評被害」至学館大
レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)が日本レスリング協会の栄和人・強化本部長から繰り返しパワーハラスメントを受けていたとする告発状が内閣府に出された問題で、伊調の母校で、栄氏がレスリング部監督を務める至学館大学(愛知県大府市)の谷岡郁子学長が15日、同校内で記者会見し、「学生が風評被害で傷つけられて、心を痛めている。これ以上、甘受することはできない」と訴えた。
日本協会副会長も務める谷岡学長は「学長として会見する」と前置きし、五輪3連覇で同大の吉田沙保里・副学長に「あなたがひきょう者なんだ」というようなメールが届き、レスリング部員には「お前が謝れ」「偽善者め」「至学館だと思ってつけあがるな」というコメントが次々に寄せられていると話した。
前日のテレビ番組で、栄氏の娘の栄希和が17日から群馬県高崎市で開かれるワールドカップの日本代表に選ばれたことについて「えこひいきだと取り上げられ、怒りが沸点に達した」と言い、選出が国際大会の実績によるもので、栄氏を除いた話し合いで決まったと説明した。
栄氏の人格を責める報道になってきていると受け止め、栄氏が名誉毀損(きそん)で法的措置の検討もしていると話した。身に覚えのない報道などで心身が衰弱し自宅療養しているという栄氏に前日会ったと言い、「徐々に体力、気力が戻り、快方に向かっている。だが、普段の栄までは戻っていない」と話した。
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