「あれ?僕と似ている」 東京五輪の顔、作者2人初対面
平昌五輪・パラリンピックが終わり、いよいよ次は2020年東京大会。大会を象徴することになるエンブレムとマスコットの作者は、外見も考え方もどこか似ていた。エンブレムをデザインした野老(ところ)朝雄さん(48)と、マスコットを手がけた谷口亮さん(43)。15日に初めて対面し、自分の作品や東京大会への思いを語り合った。
いきなり握手 意気投合
――いきなり握手して意気投合してますね。2人は非常に似ているなと思って、ぜひこうやって対談してほしいと思っていました。お互いの第一印象は?
野老 2月のマスコット発表記者会見をテレビで拝見した時、思わず二度見しました。「あれ? 僕と似てるな」と。構成要素が一緒ですよね。生(なま)谷口さんは今日が初めてですけど、テレビで拝見した通り、やはりいい感じですね。
谷口 声が優しい人だなあと。僕はガラガラ声だから、よく魚屋って言われちゃう。
――野老さんは、谷口さんのことがうらやましかったと聞きました。
野老 記者会見で、どてらを着ていたでしょ。2年前の僕の(エンブレム発表記者会見)時は、「ジャケットを着用してください」と大会組織委員会に言われた。会見の直前に購入して、二度と着ていません。しかも一番大きなサイズを買ったのに全然入らず、「お直し」をしてもらったという苦い経験があります(笑)。それまでジャケットは一着も持っていなかった。だから「多様性」という意味でも、どてらはうらやましかったですね。
谷口 僕も一応、「スーツの方がいいですか?」と大会組織委員会に問い合わせはしたんです。そしたら「普段着でけっこうです」と言われた。「じゃあ、普段着ているどてらでもいいですか」と念を押したら、「大丈夫です」と。担当者がたまたま、野老さんの時と違ったのかなあ。
――そんな自由な谷口さんが描いたマスコットには、野老さんが描いた市松模様が採り入れられました。
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