警察庁長官銃撃「オウムじゃない男」を追った元刑事
1995年に起きた警察庁長官銃撃事件。捜査を主導した警視庁公安部は「オウム真理教の犯行」と断定しながらも、容疑者を特定できずに公訴時効となった。様々な見方が浮上し、いずれも決め手を欠いた事件。そのうちの1本の線にかかわった元刑事が27日、捜査の舞台裏を描いた著書を出版する。
「長官を狙撃したのは私だ。暗殺する目的だった」。別の事件で無期懲役が言い渡された男がこう供述したのは、2008年3月だった。時効まであと2年。当時、刑事部の捜査1課管理官だった著者の原雄一さん(61)が、銃撃事件について男から事情を聴き始めてから4年が経っていた。それまで、別の人物が「長官を撃った」と供述した局面もあった。
著書では足かけ7年、計215日間にわたる事情聴取でのやりとりや、拳銃の入手先とされる米国での捜査、公安部とのすれ違いなどを淡々とつづった。
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