元「歌のお兄さん」薬物依存と戦う 日本一厳しい施設で
薬物依存症から抜け出すため、ファンの前で歌う男性がいる。NHKの子ども向け番組「おかあさんといっしょ」で1999~2003年に「歌のお兄さん」を務めた杉田光央さん(52)だ。回復支援施設「長野ダルク」(長野県上田市)で生活しながら、舞台に立ち続ける。
1月上旬、長野県松川村の多目的ホールで杉田さんは約250人のファンを前にマイクを握った。短髪で日焼けした肌は真っ黒。時に目を潤ませながら、子ども向け番組で歌っていた「銀ちゃんのラブレター」「あ・い・う・え・おにぎり」など、10曲ほどを熱唱した。
杉田さんによると、初めて覚醒剤を使用したのは20代の頃。知人に勧められ、覚醒剤とは知らずに使ったという。依存症が深刻になったきっかけは、歌のお兄さんを辞めた後の05年ごろ、旅行でインドネシアを訪れたことだった。売人の男に覚醒剤を見せられ、「脳からよだれが出るような感覚」に襲われた。帰国後も使うようになり、やがて月数回の頻度に。16年4月、自宅で覚醒剤を所持した疑いで現行犯逮捕され、2カ月後に東京地裁から執行猶予付きの有罪判決を言い渡された。
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