山陰に「ひずみ集中帯」存在か 島根地震、専門家が指摘

写真・図版山陰地方で近年起きた主な地震

 島根県は大地震が少ない地域だが、マグニチュード(M)5~6規模の地震は過去にたびたび起きている。島根大の向吉秀樹助教(構造地質学)によると、今回の震源を含む同県大田市付近から広島県三次市にかけてのエリアは地震活動が比較的活発で、M5以上の地震が1950年以降に10回以上起きている。

今回の地震の震源付近には明確な活断層はないが、京都大防災研究所の西村卓也准教授(測地学)は「山陰のひずみ集中帯」の存在を指摘する。2011年の東日本大震災以降、山陰地方の日本海側は、瀬戸内海側に対して年に5、6ミリ東にずれ動いている。兵庫県北部から今回の震源付近にかけて陸側プレート内部のひずみが集中し、地殻の浅いところで地震が起こりやすいという。2000年には鳥取県西部地震(M7・3)、16年には鳥取県中部地方の地震(M6・6)が起きている。

気象庁によると、今回の震源の周辺では、1週間ほどの間に同程度の大きさの地震が繰り返されるケースが1930年以降、4回確認されている。西村さんは「山陰地方の地震は続発する癖があるので、しばらくは注意した方が良い」と話す。

今回、強い揺れが起きたことについて、鳥取大の香川敬生(たかお)教授(強震動)は「人が多く住む日本海側の平野は、堆積(たいせき)層が厚く揺れやすい」と分析している。

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