死角悪用し大量LINEポイント 元会社員の「錬金術」
LINEアカウントを大量に作るために使われたSIMカード。1枚100円の在庫処分品を買い集めたという=17年7月、須藤龍也撮影
データ通信用SIMカードの「死角」を悪用し、LINEなどで不正なアカウントを作られる被害が広がっている。なかには、企業が販促キャンペーンなどでLINE利用者にプレゼントする「LINEポイント」を不正にかき集め、電子マネーなどに換える手口もみられた。元会社員の20代男性が昨年末、朝日新聞の取材に応じ、現代の「錬金術」ともいえる手口を語った。
男性は、SIMカードが未契約状態でもSMS(ショートメッセージサービス)だけは使えることに着目。大手格安スマホ事業者(MVNO)が売り出しているSIMカードを100枚以上買い集め、各SIMに付与されている電話番号とSMSを使い、LINEのアカウントを100近く作ったという。通常は1人が持つ電話番号は一つか、多くて二つ。LINEのようなネット事業者にとって想定外のアカウント数だろう。
男性がまず目を付けたのは、DVDの宅配レンタルサービス。会員登録するだけで1100LINEポイント(電子マネーに交換すれば約1千円相当)得られ、「お試し会員登録で30日間無料」とあった。ポイントをもらい、無料期間の間にポイントを得て退会すれば良いと男性は考えた。
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