イラク日報の探索指示「改善余地あった」 小野寺防衛相
閣議後、記者の質問に答える小野寺五典防衛相=10日午前8時58分、首相官邸、岩下毅撮影
小野寺五典防衛相は10日の閣議後会見で、昨年2月に当時の稲田朋美防衛相がイラク派遣の際の活動報告(日報)の探索を求めた「指示」に基づき、統合幕僚監部の幹部が省内に送ったメールについて、「必ずしも正確に大臣の意図を伝達したものとは言えない可能性がある」と述べ、不適切だったと認めた。
防衛省が存在しないとしてきた日報は、稲田氏の指示後も陸上自衛隊が「ない」と報告後、1年たってから明らかになり、隠蔽(いんぺい)との批判を受けている。稲田氏の探索指示が口頭であいまいとの指摘もあるが、小野寺氏は「日常的な案件について日々、大臣から口頭による指示があり、(稲田氏の)探索指示もこれに該当する」と明言。稲田氏から指示を受けた辰己昌良・統幕総括官(現・大臣官房審議官)の部下の統幕参事官付が、統幕、陸空の幕僚監部の一部の運用系部署に送ったメール内容については「探索の範囲や方法を具体的に示すなど、文面を見る限りは改善の余地があった」とした。
辰己氏は10日午前の参院外交防衛委員会に出席。稲田氏の指示が「再度探索をすべきと(いう意味だと)私自身は思っている」と述べた。メール内容は「改めて探索いただくように伝達をしている」とも言い、再探索も含めた内容だったとした。民進党の藤田幸久氏に対する答弁。
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