米朝、異例のCIA交渉 スパイのトップが外交トップに

写真・図版米朝交渉の構図

5月末までの実現を目指す米朝首脳会談をめぐり、米側は中央情報局CIA)が北朝鮮と事前交渉を進めていることが、米朝関係筋への取材で明らかになった。外交を担う国務省ではなく、トランプ大統領が重用するポンペオCIA長官(次期国務長官)を通じてトップダウンの合意を目指す意図が透ける。ただ、舞台裏の存在の情報機関が直接、外交交渉に携わることに否定的な見方もある。

米政府当局者は8日、朝日新聞の取材に対し、「米国は北朝鮮金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が朝鮮半島の非核化について協議することに前向きであることを確認した」と答えた。米政府はこれを北朝鮮の首脳会談に向けた前向きなサインとして受け止めている。

北朝鮮のメッセージを米側に伝えてきたとみられるのがCIAルートだ。米朝関係筋によれば、CIA当局者らは3月下旬、正恩氏が訪中した際、北京で金英哲(キムヨンチョル)・党副委員長らと短時間、非公式に接触した。英哲氏は現在、対南関係を統括する党統一戦線部長で、最近までは情報機関の軍偵察総局長を務めていた。

水面下の接触を通じ、北朝鮮側は首脳会談の候補地を平壌にしたいと米国に打診。正恩氏の専用機の航続距離が短いことから訪米は難しいとも説明しているという。米朝はモンゴルなど第三国での開催も模索しているが、トランプ氏が平壌を訪問する可能性も残っている。関係筋は「首脳合意の基本線が決まらないため、5月開催は難しいとの見方もある」と語った。

ASAHI.COM

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