【速報中】読まずに決裁 麻生氏「ん?あり得るかな」

写真・図版衆院予算委で、立憲民主党の枝野幸男代表の質問をめぐり与野党の議員が議長席に詰め寄るのを見つめる安倍晋三首相(中央)=2018年4月11日午後1時28分、山本壮一郎撮影

安倍晋三首相らが出席して衆院予算委員会の集中審議が開かれています。テーマは「公文書管理問題等」。森友・加計学園問題や自衛隊日報問題などをめぐって論戦が交わされています。タイムラインで追うとともに、朝日新聞政治部で国会を担当する斉藤太郎記者が解説します。

「本件は、首相案件」と首相秘書官 加計めぐり面会記録

加計学園の学部新設計画で2015年4月、愛媛県や今治市の職員、学園幹部が首相秘書官(当時)らと面会した際に、県が作成したとされる記録文書が明らかに…

口裏合わせ要求、その頃何が? 文書改ざんと重なる構図

森友学園への国有地売却問題をめぐり、財務省が9日の参院決算委員会で、学園側へ口裏合わせを求めていたことを認めた。同委では自民党議員が「ばかか」と怒声を…

○斉藤太郎記者の経歴 2005年から政治部記者となり、09年に民主党が政権奪取する際の国会対応などを取材。与党の「ごり押し」、野党の「ちゃぶ台返し」の攻防を幾度となく見てきたが、的を射た野党の追及が国会のだいご味だと思っている。1975年、米国アラスカ州生まれ、東京育ち。学習院大学卒。

首相「柳瀬氏を信頼」 枝野氏「おかしいでしょ!」(13:30)

【加計問題】枝野幸男氏(立憲民主党)の追及で、委員会の論戦が白熱してきた。加計(かけ)学園の獣医学部新設計画で、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が愛媛県職員らに「首相案件」と述べたと記された同県作成の文書をめぐり、たびたび質疑が止まった。

安倍晋三首相は「県の文書にコメントする立場にない」としつつ、柳瀬氏が「あり得ない」と文書の内容を否定するコメントを出したことを踏まえて「部下である当時の柳瀬秘書官を信頼している」と答弁。これに対し、枝野氏は「おかしいでしょ! 事実上、愛媛県がウソをついていると言っている。だが多くの国民は総理がウソをついていると思っている」とまくし立てた。

枝野氏は「どちらがウソをついているか」を明らかにするため、柳瀬氏と同県の担当職員の双方を証人喚問するよう、仕切り役である河村建夫・予算委員長に要求。河村氏が「理事会で協議する」としゃくし定規に答えると、枝野氏は河村氏にも「あなたはどういう見識なんですか」とくってかかり、審議が一時中断した。

その後、枝野氏は森友学園財務省の間の「口裏合わせ」にテーマを移して質問を続けている。

東京労働局長更迭「処分軽すぎる」 立憲・枝野氏(13:05)

【労働局長更迭】記者会見で「是正勧告」発言をして、厚生労働省東京労働局長を更迭された勝田(かつだ)智明氏への処分について、加藤勝信厚労相が「不適切な発言により、監督行政に対する国民からの信頼を著しく損ねた。厳しい処分だと思っている」と述べた。枝野幸男氏(立憲民主)への答弁。

勝田氏への懲戒処分は、減給10分の1(3カ月)と、部長級から課長級に降格させる内容。ただ、枝野氏は「公権力を恣意(しい)的に乱用して、使いますということをほのめかして(記者を)脅かした。職権を乱用してもこの程度の処分で済むのが内閣の方針なのか。軽すぎる」と指摘した。

麻生氏、決裁「読んでない人もあり得るかな…」(13:05)

【森友問題】「ん? 読んでいない人もあり得るかな……」。決裁文書の改ざんが明らかになった財務省のトップ、麻生太郎財務相が、文書の中身を精査せずに決裁をしている実態を半ば認める答弁をした。枝野幸男氏(立憲民主党)から「決裁担当者が決裁文書を読んでいなかったと公然とおっしゃる。役所としてタガが外れすぎじゃないか」と詰め寄られ、反論する中で飛び出した。

枝野氏が持ち出したのは、森友問題をめぐる安倍昭恵首相夫人の名前が記載された財務省の文書。太田充理財局長が午前の質疑で、省内の文書決裁者の一人に、昭恵氏の記載があることを認識していたかどうか確認したところ、「そこまでちゃんと見ていなかったので、覚えていないということだった」との説明があったと答弁した。

これを受けて、枝野氏は「懲戒処分の対象ではないか。決裁権者が責任を持つ前提で社会は成り立っている。行政機関の建前が崩壊する」と強い口調で批判した。

2月14日の不完全燃焼 立憲・枝野氏、リベンジなるか

○寸評(斉藤記者) 立憲民主党の代表、枝野幸男さんが質問に立っています。立憲は昨年10月の衆院選で野党第1党に躍り出て、その後も野党で唯一、10%台の政党支持率を維持しています。枝野さんは押しも押されもせぬ「野党の盟主」と言っていいでしょう。

枝野さんは弁護士出身の理論派。中学時代に合唱部で全国優勝したことがあり、声量にも自信があります。

枝野さんは今年2月14日、今回と同じ衆院予算委員会の集中審議の場で、安倍晋三首相と論戦を交わしています。立憲が2時間近くの持ち時間を全て枝野さんに託し、党首討論のような状況を演出したのです。ところが憲法から待機児童、森友問題までテーマを広げ、担当閣僚ばかりに質問をぶつけ、不完全燃焼に終わりました。

それから約2カ月。今回の質問時間は1時間余りで、前回より短くなりますが、首相との直接対決に打って出てリベンジを果たさないと、「盟主」の論戦力に疑問符が付きかねません。

野党の「論客」続々、政権追及へ 午後の審議再開(13:00)

衆院予算委員会の集中審議が休憩をはさんで、午後1時に再開した。立憲民主党枝野幸男代表、希望の党の玉木雄一郎代表、無所属の会の原口一博・元総務相共産党宮本岳志氏ら野党の「論客」が次々に登場します。

加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐる「首相案件」文書、森友学園への国有地売却問題をめぐる財務省の文書改ざんや口裏合わせ要求、存在しないとしてきた自衛隊の活動報告(日報)問題などについて、野党は政権批判を強める構えです。

昭恵氏の名「決裁者はちゃんと見ていなかったと」(11:55)

【森友問題】国会で連日のように謝罪している財務省太田充理財局長が、またも苦しい答弁で頭を下げた。川内博史氏(立憲民主党)が問いただしたのは、財務官僚が昨年2月、菅義偉官房長官に森友問題の経過説明をしたとされる場面。ここに同席した財務官僚が、決裁文書に安倍昭恵首相夫人の名前が記されていたことを認識していたかを問われ、こう答えた。

「本人に確認しました。『責任はありますが、正直に言うとそこまでちゃんと見ていなかったので、覚えていませんでした』というのが彼の正直な発言でございます」

太田氏は「私は『決裁に判子をついた人間は書類を把握しておく責任がある』と答弁して参りました」とも率直に述べたが、委員室は騒然となった。川内氏は「決裁したけど中身は知りませ~ん。というのは恥ずかしい答弁だと思う」と断じた。

柳瀬・藤原両氏の証人喚問を要求 立憲・川内氏(11:40)

【加計問題】加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐり当時の柳瀬唯夫首相秘書官が「首相案件」と発言したと記された愛媛県の文書が明るみに出た問題で、川内博史氏(立憲民主党)は「常識では理解できない」と追及し、柳瀬氏らの証人喚問を要求した。

柳瀬氏は2015年に同県職員に「首相案件」と述べたと文書に記されており、現在は経済産業審議官。川内氏は、「要請の内容は総理官邸から聞いている」と発言したとされる当時の藤原豊・内閣府地方創生推進室次長(現・経産省貿易経済協力局審議官)の喚問も要求。「ウソをつけない証人喚問で証言していただく必要がある」と強調した。

柳瀬氏、藤原氏をめぐっては11日朝、自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長が会談し、国会招致を検討することを申し合わせた。衆院予算委の集中審議の様子を見きわめたうえで判断するという。

首相「新しいことに挑戦したい 加計氏は言っていたが…」(11:35)

【加計問題】質疑の中で、安倍晋三首相加計学園の加計孝太郎理事長との「親密」ぶりが改めて焦点となっている。

首相秘書官が「首相案件」と述べたと記された愛媛県の文書で、2015年4月2日の少し前に首相と加計氏が会食したなどの記述がある。川内博史氏(立憲民主党)は、こうした場で「獣医学部の設置を目指しているんだよ、がんばれよ、という会話はなかったのか」と2人の関係性を問うた。

首相は「加計氏とは学生時代からの友人で今日まで続いているが、獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切ない」。川内氏が「話題にもならないとは考えにくい」と問い詰めると、「(加計氏は)常に新しいことに挑戦したいとは言っていたが、具体的なことは一切、話していない」と反論した。

立憲・川内氏、あだ名は「隊長」 切り込めるか

○寸評(斉藤記者) 午前11時33分、野党議員に質問の順番が回ってきました。トップバッターは立憲民主党の川内博史さん。民主党出身の当選6回です。川内さんは、かつての同僚から「隊長」と呼ばれることがあります。2008年、民主がガソリン税暫定税率の延長阻止を掲げて結成した「ガソリン値下げ隊」の隊長となり、自民党政権に徹底抗戦した「戦歴」があるからです。

「なんで?」「おかしいじゃん」――。格式が高いとは言えないかもしれませんが、軽いタッチで小気味よく質問を繰り出すのが川内さんのスタイルです。

与えられた質疑時間は約30分。かつて民主の「値下げ隊長」、今は立憲の「切り込み隊長」の突破力が問われます。

菅長官「愛媛県作成の文書、コメント控える」(11:02)

(首相官邸での記者会見で)菅義偉官房長官「(愛媛県が存在を認めたと)報道された文書は愛媛県が作成した文書のことであり、自治体の文書について政府としてコメントすることは控えるべきだと思います」「(文書に登場する柳瀬唯夫・元首相秘書官が改めて国会で説明する場は必要か問われ)国会のことは国会でお決めになることです」

愛媛県知事「柳瀬氏の『記憶の限り』、ちょっと気になる」(11:00)

愛媛県庁での記者会見で)中村時広知事「(国に対しては)正直に丁寧に、ということに尽きる。国がしっかりと検証し、丁寧に説明されるということなので、していただければ。(柳瀬唯夫・元首相秘書官愛媛県などとの面会を否定したコメントで)『記憶の限り』という言葉は、ちょっと気になる。どうなのかなと、聞いた方は感じてしまう」

首相「県文書、コメント控えたい」加計問題、指示は否定(10:55)

【加計問題】加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐり、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が愛媛県職員らに「首相案件」と述べたと記された同県作成の文書が明るみに出て初めて、安倍晋三首相が答弁に立った。柴山昌彦氏(自民)から所感を問われると、「県が作成した文書に関しコメントを控えたい。(新設の認可へ)私から指示を受けたと言った人は一人もいない。獣医学部新設はプロセスにおいても問題ない。4月からすでに開校しているという事実もある」と述べ、問題はないとの考えを繰り返した。

「安倍チルドレン」柴山氏、政権から切り離す姿勢見え隠れ

○寸評(斉藤記者) 最初の質問者となった自民党柴山昌彦さんは、いわば「元祖・安倍チルドレン」です。安倍晋三首相が幹事長を務めていた2004年、弁護士から転じ、同党初の公募候補として衆院補選に挑戦。安倍氏の全面支援を受けて初当選した後、「党を挙げて応援したのに」という党内の反発を押し切り、安倍氏の出身派閥(当時の森派、現細田派)に入りました。

「当時の安倍幹事長の改革姿勢に共感、新たな保守政治の実現をめざし、政治に身を投じた」。11年の朝日新聞の取材に、柴山さんはこう振り返っています。

さて、「親分」の安倍首相がピンチです。政権が苦しむ不祥事の追及はほどほどに、今後の再発防止に向けた公文書管理の改善に向けた電子決済の導入、人事制度の改革といった観点に軸足を移し、問題を政権の責任から切り離そうという姿勢が見え隠れしていました。

麻生財務相「ふざけた話だ」森友学園への口裏合わせ依頼(10:45)

【森友問題】森友学園への国有地売却のためのごみの撤去をめぐり財務省が学園側に口裏合わせを依頼していた問題。柴山昌彦氏(自民)から質問された麻生太郎財務相は「ふざけた話で、誤った対応だったと、率直に思っている」と述べた。ただ、「誰の指示で、どの範囲の職員が了解したうえでやっていたのか引き続き調査し、きっちり解明したい」と詳細な説明は避けた。

この日の質問者トップバッターの柴山氏はイラク日報問題、森友学園の口裏合わせ問題、続いて加計学園の「首相案件」文書について順に質問している。

森友・加計問題や日報問題が焦点 集中審議スタート(10:29)

安倍晋三首相らが出席する衆院予算委員会の集中審議は午前10時29分、開会した。加計(かけ)学園の獣医学部新設計画をめぐり「首相案件」と記された文書の存在が明るみに出た中、野党は首相への追及を強める構えだ。

森友学園への国有地売却問題をめぐる財務省の文書改ざんや口裏合わせ要求、存在しないとしてきた自衛隊の活動報告(日報)が次々と見つかっている問題なども焦点となる。

質疑は午後5時ごろまでの5時間半。与党議員の質問は午前11時半ごろまでで、昼休みを挟んだ午後1時から立憲民主党枝野幸男代表、午後2時10分ごろからは希望の党の玉木雄一郎代表が質問に立つ予定だ。

立憲・辻元氏「柳瀬氏らの証人喚問、今日中の返答迫る」(10:12)

(国会内で)辻元清美立憲民主党国会対策委員長「(元首相秘書官柳瀬唯夫氏、元内閣府次長の藤原豊氏の証人喚問について)早急に開くように今日中に返事をしていただくよう求めていく。引き続き、(首相夫人の)安倍昭恵氏などの証人喚問も求めていくが、柳瀬氏については参考人として国会で言っていたことと違うことが事実になってきた。いま経済産業省の幹部を務めている人でもあるので、今日中に予算委員会理事会で返答を(与党側に)迫っていくことを野党間で確認した」

希望・泉氏「『首相案件』文書は自然体、意図的と思えない」(10:04)

(国会内で)泉健太・希望の党国会対策委員長「(『首相案件』と記された愛媛県の文書は)自然体の文書というか、意図して誰かを陥れるために作った文書とは思えない。愛媛県知事がそれが備忘録であるということを認めたということは、そこに書かれている中身、『首相案件』をはじめとした言葉というのは基本的に発言があったものを記録したんだと認識している。公文書の改ざん、隠蔽(いんぺい)、一つひとつ原因を探ると、指示ではなくても政治家の存在というものが明らかだ。多くの国民も同じ認識でいると思う。いつまで安倍総理はそれをごまかすのかということに尽きるのではないか」

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