大分の土砂崩落なぜ?4月ほぼ雨なし 専門家はこう見る
大分県中津市で住宅の裏山が崩落し、6人の安否が不明となったが、現場では予兆がみられないなかで突然の土砂崩れが起きた。
現場付近では4月に入りほとんど雨は降っていなかった。福岡大の佐藤研一教授(地盤工学)は「テレビでみると、相当広範囲に斜面崩壊しており、しかも結構えぐれている。普通は雨で地下水位が上昇するか、地震などで力が加わって崩れるのが一般的だ」と話す。
現場は奇岩の景観で知られる耶馬渓の近く。一帯の岩石は縦の割れ目が入りやすい特徴を持つ。福岡教育大の黒木貴一教授(応用地質学)は「雨が原因でないなら、岩石の割れ目がかかわっているかもしれない」と話す。
九州大の三谷泰浩教授(岩盤工学)は「現時点では、崩れ落ちて下部にたまった土砂の塊が、斜面のさらなる崩壊を止めているのでは」とみる。救助などのために下部の土砂を除くと新たな崩壊を招く恐れがあるため、慎重な作業が必要と指摘する。
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