韓国で急拡大する#MeToo 反動で女性排除の差別も
性暴力やセクハラ被害を告発する「#MeToo(私も)」運動が、今年に入って韓国社会で一気に広がっている。世論の圧力で急拡大する韓国型の運動が、男性中心と言われてきた社会を変える契機になるだろうか。
「合意の上の関係だと思っていたが、告訴人はそうではなかったという。おわび申し上げる」
3月19日、ソウルの検察庁前。2週間前まで「次期大統領選の有力候補」と呼ばれたその男性は、記者団の前で重い口を開いた。
与党「共に民主党」の政治家で、忠清南道知事だった安熙正(アンヒジョン)氏(52)。清廉なイメージから若者の人気が高く、#MeToo運動への支持も示していた。だが、元秘書の女性がテレビに実名で出演、「海外出張中に繰り返し性的暴行を受けた」と告白し、評価は一転。安氏は「知事職を退き、一切の政治活動を中断する」と表明した。
昨年秋に米国で始まった#MeToo運動が韓国に波及したのは1月末。女性検事、徐志賢(ソジヒョン)さんが検察内部のセクハラを実名で告発したのがきっかけだ。
「私は組織内で冷静に意思表示しました」「しかし回答は『検事生活を長く続けたいなら静かに上司の評価を受けていろ』というものでした」
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