育児放棄されたスナメリ、飼育係の愛に育まれすくすく
三重県鳥羽市の鳥羽水族館に、人の手で育てられた子どものスナメリがいる。昨年5月に生まれたメスの「ココロ」だ。生後まもなく母親が子育てを放棄し、飼育係に育てられた。順調に成長して、来館者が見守る水槽の中を元気に泳ぎ回っている。
ココロは昨年5月25日、同館で生まれた。母親が次第に授乳しなくなったため、誕生5日後、飼育スタッフたちが人工哺育に踏み切った。24時間態勢で様子を見守りながら、授乳時にはカテーテルを口から胃に挿入し、ミルクを直接注入して与えた。水槽の中での授乳方法としては、哺乳瓶より効率がいいという。授乳回数は多い時で1日14回ほど。モノや人に興味を持つようになると、おもちゃの浮輪をプールに入れたり、スタッフが水槽の中で直接遊び相手になったりして好奇心を養った。そんな「子育て」は、ココロが自力でエサの魚を食べるようになる10月下旬まで続いた。
今年1月12日には体長113・5センチ、体重20・7キロに。順調に成長したココロは1月25日、大人のスナメリを飼育する水槽に移された。群れの動きを観察して、すぐに大人たちともなじんだという。
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