情報番組、記者擁護の声 テレ朝対応には批判「反省を」
記者会見するテレビ朝日の篠塚浩取締役報道局長(右)と長田明広報局長=2018年4月19日午前0時13分、東京都港区のテレビ朝日本社、鬼室黎撮影
テレビ朝日は19日未明に開いた会見で、女性社員が福田淳一氏からセクハラを受けていると上司に伝え、この事実を報道すべきだと相談したが、本人が特定され二次被害が心配されることなどを理由に「報道は難しい」と伝えたことを明らかにした。
このため、社員は「責任の重い立場にある人物による不適切な行為が表に出なければ、今後もセクハラ被害が黙認され続けるのではないか」との思いから、週刊新潮に連絡。録音の一部も提供したという。
19日は、朝からテレビ朝日の情報番組もトップクラスの扱いで、40分近くを割いてこの間の経緯などを議論した。「羽鳥慎一モーニングショー」では、時事通信の田崎史郎・特別解説委員が「このテレビ朝日の女性記者を、率直に申し上げて尊敬します」と述べ、「彼女が(週刊誌に持ち込むという)行動をとらなければ、うやむやになっていた」と指摘した。テレ朝の対応については「まずかった。少なくとも抗議ぐらいは財務省に対して早くしておかなければいけなかった」と批判した。
テレビ朝日社員でもあるコメンテーターの玉川徹氏は、この女性社員が取材情報を第三者である週刊誌に提供したことについて「僕は公益通報だったと思う。彼女のやったことは正しかったと思う」との見解を示した。「テレビ朝日は反省しないといけない」とも語った。
ジャーナリストの江川紹子さんは、朝日新聞の取材に対し「報道機関は一般に、取材先との関係を気にして、自分たちの被害を伝えることをためらう」という。
だが、今回は女性社員から相談を受けた段階で報じるべきだったと指摘する。「報じて、セクハラを解決するメッセージを発信すべきだった。取材を受ける側の立場を使った人権侵害にメディアは連帯して向き合っていくべきだ。テレビ朝日は彼女を孤立させてはならない」
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