京都・南禅寺で異臭騒ぎ、4人搬送 拝観中止に
気分不良を訴える女性を搬送する救急隊員ら=2日午後0時8分、京都市左京区の南禅寺、小林正典撮影
2日午前11時25分ごろ、京都市左京区の南禅寺の境内で、「薬品の臭いがする。呼吸がしにくい」と寺の職員から119番通報があった。京都府警によると、境内にある方丈庭園と周辺で男女24人がめまいや寒気を訴え、うち女性4人が病院に運ばれた。いずれも命に別条はないという。ゴールデンウィーク中で多くの参拝客でにぎわっており、異臭のした庭園にも約60人がいて騒然とした。寺は参拝客を避難させ、庭園を拝観中止にした。
川端署によると、搬送された4人は、50~70代の参拝客3人と20代の寺の職員。気分不良の人たちは「のどが痛い」「寒気がする」「歩けない」などと訴えた。方丈庭園付近に女子トイレがあり、その周辺で異臭がしたといい、不審物がないか調べている。
方丈庭園は小堀遠州作と伝えられ、江戸時代初期の代表的枯山水庭園で、国の名勝に指定されている。
南禅寺は、京都市営地下鉄東西線の蹴上(けあげ)駅から北に約500メートル。琵琶湖疎水が流れる哲学の道に近く、多くの観光客でにぎわう。臨済宗南禅寺派大本山の寺院で、寺のホームページによると創建は1291年。国宝の方丈、重要文化財の三門で知られている。
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京都市消防局によると、南禅寺には消防車7台と救急車5台が急行した。静かな境内は一転し、あわてて避難する人や、担架で運ばれる様子を見つめる人で騒然とした。
堺市から来た女性会社員(43)は「トイレに行こうとしたら、せき込みながらトイレから出てくる人を数人見かけた。すぐに私もむせ始め、のどが焼けるような感覚になった」と話す。現場から離れた後も、のどに違和感は残ったという。
兵庫県川西市から来た主婦(70)は「方丈庭園の回廊を回っているときに急に息が苦しくなり、気分が悪くなった」と話す。消防に血圧を測ってもらったが、問題はなかった。ただ、「気分が悪くなった原因がわかっていないので恐ろしい」と不安げな表情を浮かべた。
岐阜県から来たパート女性(55)は、方丈庭園で周りにいた男女20人ほどとともに急にせき込んだ。強い臭いは感じなかったが、呼吸ができなくなったという。危険を感じ、その場からあわてて離れた。「まさかこんなことが起こるなんて。原因がわかればいいが」と心配そうに話した。
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