昭和10年建造「サンタの煙突」解体へ 子どもたちに夢

写真・図版JR宗谷線の車内からも、サンタを見ることができた=名寄市提供

北海道名寄市にある、高さ24メートルのれんが煙突が18日、老朽化のため取り壊される。クリスマスには、サンタの人形が煙突を登り、子どもたちに夢を与えてきただけに、惜しまれながらの引退となる。

煙突は、名寄土管製作所の敷地内にあり、1935(昭和10)年ごろに造られたとみられる。土地改良に必要な暗渠(あんきょ)土管を製造する工場用のものだった。同社の松前司社長(64)が物心ついたころには、すでに使われなくなっており、4本あった煙突は1本だけが最後まで残った。「最北のれんが煙突」と呼ばれるようになった。

転機は2000年。市の開拓100年を記念し、市内の有志団体が煙突に高さ2・5メートルの特注のサンタ人形を登らせるイベントを実施した。サンタは、毎日約2メートルずつ煙突を登り、クリスマスイブの24日にてっぺんにたどりつくという演出で、夜は煙突もライトアップされた。

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