「高プロは過労死増やす」 遺族ら、法案審議の場で訴え

写真・図版衆院厚労委で参考人として意見陳述する連合の神津里季生会長=22日午前9時11分、岩下毅撮影

働き方改革関連法案を審議する衆院厚生労働委員会は22日、法案採決の前提となる参考人質疑を行った。出席した参考人は6人。与野党の最大の対立点となっている高度プロフェッショナル制度高プロ)の創設については、過労死の遺族が「過労死を増やす危険性が非常に高い」として反対する一方、経済界の代表者が評価するなど賛否が分かれた。

高プロは、年収1075万円以上の一部の専門職を労働時間規制から完全に外す制度だ。過労死の遺族で「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子・代表世話人は、「違法な長時間労働を合法化するものだ」と懸念を表明。「労働時間も把握されず、過労死しても労災認定されずに自己責任とされ、泣き寝入りする遺族が増える」と法案からの削除を訴えた。

連合の神津里季生(こうづりきお)会長も、「働き過ぎの助長につながる。長時間労働是正に逆行する内容がひとくくり(の法案)にされていることも含めて極めて遺憾だ」と述べた。

一方、経団連の輪島忍・労働法制本部長は「創造性を発揮できる柔軟な働き方の選択肢を増やす」として、高プロを含む法案の成立を求めた。日本総研の山田久理事も「今でも高プロに近い働き方をする人もいる。働き方の選択肢を増やすことは基本的には妥当だ」とした。ただ、業務量が過大になりすぎる恐れがあることに触れ、「仕事の量にブレーキをかける追加的な措置が必要だ」と指摘した。(村上晃一)

ASAHI.COM

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