フセイン元大統領の船、ホテル転身 33億円売却ならず
イラク南部バスラの港に停泊する「バスラ・ブリーズ号」=ロイター
イラクのサダム・フセイン元大統領が所有していた船が、南部バスラの港で船員用のホテルに生まれ変わることになった。ロイター通信が伝えた。
「バスラ・ブリーズ号」は全長82メートルで、大統領専用のスイートルームをはじめ17の客室があり、シルクのカーテンなどが使われている。イラン・イラク戦争中の1981年に造られ、当時は空爆を避けるためサウジアラビアなどに停泊していた。結局、フセイン元大統領が乗ることはなかったという。
2003年のイラク戦争で、フセイン政権は崩壊。フセイン氏は06年12月に処刑された。イラク政府は3千万ドル(約33億3千万円)で売却しようとしたが買い手がつかず、バスラの港に出入りする船員のホテルや娯楽施設として活用することを決めたという。(ドバイ=高野裕介)
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