外れるのはカズ…20年前の代表選考との類似点と相違点
(30日、日本0―2ガーナ サッカー国際親善試合)
今回のように、W杯前の国内合宿と壮行試合までに登録選手を絞り込まず、最終的に選手を外すケースは過去に一度しかない。
「外れるのはカズ(三浦知良)、三浦カズ……」という岡田監督の言い回しが記憶に残る1998年フランス大会以来のことだ。その後、前回までの4大会は5月中旬までに最終メンバーを発表して、初戦に備えた。
あの時と似ているのは、外さなければならない選手が同じ3人で、3バックによるチームづくりを突貫作業で進めている点だ。一方で違っているのは、西野監督が3バックをまだ選択肢のひとつとして準備していることだ。
初出場のフランス大会では、一体感を保とうと外した3人をW杯中も同行させる準備をしていた。プロフェッショナルな集団として20年の歳月を重ねたいま、そんな心配は無用だろう。
18日にガーナ戦の代表27人が発表された時点で、わくわく感は乏しかった。
監督交代に踏み切り、チームを作り込む時間はない。そう考えると、経験があり、また、長く組んできた選手に行き着くのはしかたない。西野監督がいう「ポリバレント」という言葉も、複数の位置をこなせるというよりも、攻守の両方でいろいろなことができる間口の広さを求めていると意訳すべきだろう。
青山がケガで離脱して、選考に残る26人には4年前のW杯代表11人が残り、ガーナ戦の先発平均年齢は29・45歳。「監督が代わっても、積み重ねてきたものがある」。81試合出場の吉田のいう言葉に期待するしかない。(潮智史)
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