「いい土地」発言の根拠求められ昭恵氏との写真 籠池氏
森友学園(大阪市)との国有地取引では、二つの節目がある。一つは賃貸契約に向けた2014年4月の学園と財務省近畿財務局との面会。そして16年3月以降の売買契約に向けた交渉だ。学園の前理事長、籠池泰典被告(65)=詐欺罪で起訴=の6日のインタビューでの発言と、改ざん問題の発覚後に財務省が開示した文書から改めて経緯をたどると――。
学園は2013年9月に国有地の取得要望を出した後、しばらく土地を借りた後に買い取る契約を財務局に求めていた。国有地取引の原則は売却。今年5月23日になって財務省が開示した交渉記録には、学園のことがこう記されている。
「国の対応の非難及び自己の主張の妥当性を一方的に述べるのみ」「指示に真摯(しんし)に対応することは期待し難い」(14年4月15日)
対応に苦慮していることがにじむ記載。その13日後、前理事長は財務局側と面会し、現地で撮った安倍晋三首相の妻、昭恵氏との写真を見せた。前理事長が逮捕前から証言し、財務省が今年3月に開示した改ざん前の文書で裏づけられた出来事だ。文書には、昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」と言われたという前理事長の発言も記されている。
なぜ写真を示したのか。前理事長は財務局側から「本当にそういうこと(昭恵氏の発言)があったと証明できるものはあるかと尋ねられた」ためだとインタビューで説明。「写真をお見せした時は(職員の)心のつっかえが取れたような風情だった」とも述べた。
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