野月八段が語るコロンビア戦、退場は「香車1本分の差」

写真・図版サッカーW杯の日本―コロンビア戦について振り返る野月浩貴八段=2018年6月20日午前10時23分、山形県天童市、佐々木洋輔撮影

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格上コロンビアを相手に2―1の勝利を収めたサッカー日本代表。そのスコアを予想していた将棋界きってのサッカー通の野月浩貴八段(44)は、「退場までは予想していませんでしたが、立ち上がりが大事と思っていたので、早い時間帯に得点できたのは大きかった」と振り返った。

野月八段は、山形県天童市で行われている将棋名人戦第6局で副立会人を務めている。年間50試合以上、スタジアムでサッカー観戦し、将棋とサッカーの戦術の共通点などを話してきたことからサッカー通の棋士と知られている。昨日は、対局の合間に記者室でコロンビア戦について雑談。「勝つなら2―1。負けるなら大量失点」と予想していた。

コロンビア戦をテレビ観戦したという野月八段は、相手が退場者を出して11人対10人の戦いになった展開を、将棋でたとえるなら「コロンビアとの実力差を考えれば、1歩得したくらいか、香車1本落とした程度の差」と表現。「相手が10人になってようやく日本が少し優位になる程度。圧倒できるとまではいかない」と、数的優位をさほど感じなかった前半の試合展開を解説した。

勝因については「退場者が出たことよりも、前半31分にクアドラード選手が交代してくれたことが大きかった。(コロンビアの10番)ハメス・ロドリゲス選手よりも警戒していた選手。彼の右サイドの突破は、日本の守備陣では防ぎきれないと想像していたので」と話した。

初戦勝利で発進した日本代表を「期待が持てる」と明るい表情。W杯直前の監督交代で、チームのまとまりを不安視していたが、勝利によって一掃されたと考えるからだ。「この勝利でチームがより団結していくでしょう。将棋は個人戦。チームがまとまっていくというプロセスを経験したことがないので、うらやましく感じます」と話した。(佐々木洋輔)

ASAHI.COM

 

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