関空の全面再開「めど立たず」 国際線の代替空港を検討
台風21号の高潮で滑走路などが冠水し、連絡橋が損傷した関西空港を運営する関西エアポートの山谷(やまや)佳之社長は6日、被災後初めて記者会見し、7日から第2旅客ターミナル(T2)と第2滑走路で国内線の運用を再開すると発表した。ただ、全面的な再開については「めどは立っていない」と述べた。
関空では空港島に足止めされた利用客や企業の従業員ら計約8千人の輸送が5日深夜に完了した。山谷社長は「多大なご迷惑をかけた。おわび申し上げたい」と頭を下げた。
T2と第2滑走路は空港の2期島にある。排水施設などが被害を受けたが、対応できるめどが立ったという。T2は、格安航空会社のピーチ・アビエーションが拠点とし、中国の春秋航空も使用している。山谷社長は「どの便が7日に飛ぶかは未定だ」と話した。
一方、1期島では浸水した第1滑走路に加え、地中の電気設備も海水をかぶって損傷しており、再開のめどは立っていないという。
関空と対岸を結ぶ連絡橋については、タンカーの衝突で損傷し、JR、南海電鉄の鉄道路線と道路の南側車線が不通のままだ。
山谷社長はT2へのアクセスとして、北側車線を利用し、南海泉佐野駅(大阪府泉佐野市)と結ぶ連絡バスを運行する方向で、西日本高速道路や府警などと協議すると説明した。
大阪府の松井一郎知事は6日、首相官邸で和泉洋人首相補佐官と面会し、関空が全面使用できない間、大阪(伊丹)空港と神戸空港が国際線などで代替機能を担えるよう要請した。和泉氏は「国としては協力する」とし、関係自治体との協議を早期に進めるよう松井氏に求めた。
これについて関西エアポートの山谷社長は会見で、「(伊丹、神戸の)両空港とも国際線の受け入れは難しいが、考えなければ(可能性は)ゼロだ」と述べ、実現可能性を検討していく考えを示した。
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