茶色い湖に浮く役場、人々は立ち尽くして ルポ宮城丸森
阿武隈川の氾濫(はんらん)で、町中心部が被害を受けた宮城県丸森町。役場に向かう陸上自衛隊のボートに、朝日新聞の記者が同乗した。
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まるで茶色くにごった湖の中を進んでいるようだ。木の板やゴミ箱と思われる水色のプラスチックが横を流れ、「止まれ」の標識や薬局の看板と同じ高さを進む。いかに水が深いか。
住宅の1階部分は水没し、もともと平屋建てが並んでいるようにみえる。シルバーセンターもドラッグストアも入り口と思われるところは分かるが、建物の中ほどまで水が入り込んでいる。
役場は、湖の中に浮いた島のように取り残されている。駐車場の車は屋根が見えるだけだ。
避難者たちが異様な光景を前に立ち尽くしていた。
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