目を疑った現場、すぐ撮った 除染廃棄物は川へ流れた?
フレコンバッグ流出の現場で
全身が泥まみれだった。耳や鼻の穴、髪の付け根やわきの下にまで泥が入り込んでいた。
昨年10月12日夜、大型の台風19号は、福島県にも大きな被害をもたらした。翌朝、同県南相馬市で起きた土砂崩れの現場に向かった。山の斜面が激しく崩れ、集落が土砂にのみ込まれていた。
少し高いところから写真を撮ろうと、緩やかな崖を登った。と、その瞬間、背後の沢から水が噴き出し、足元が崩れた。土砂に巻き込まれ、数メートル転がった。
四つんばいになって土砂から抜けだし、草むらで仰向けに寝転がった。両手で全身を触ってみたが、幸いケガはなさそうだった。
問題はカメラだった。左肩にかけていた一眼レフが、泥で使用不能になっていた。カメラがなければ、災害取材は難しい。「こんな大事なときに……」と落胆した。
拡大する土砂崩れに巻き込まれ、泥だらけになった一眼レフカメラ=昨年10月13日、福島県南相馬市、三浦英之撮影
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