県選抜のバスケ選手、右半身まひに 左手一本のシュート
2010年6月、高校の公式戦に初出場し、いきなり左手一本でシュートを決める田中正幸さん=山梨県富士吉田市の鐘山総合体育館、河合博司撮影
山梨県山梨市の県立日川高校で10年前の夏、脳の病気で右半身まひの後遺症が残る男子バスケットボール部員が、高校最後の大会、初めて出た試合でシュートを決めた。この実話をもとにしたドラマの制作が決まり、近く県内で撮影が始まる。
タイトルは「左手一本のシュート」。
主人公は当時19歳の田中正幸さん(28)。中学県選抜に選ばれる注目の選手だったが、高校入学直前に脳内出血で倒れ、利き手の右手と右足が不自由になった。リハビリで1年間休学し、バスケ部に戻ってきた。
まひの残る体で誰よりも練習し、後輩の面倒もみた。あふれ出る情熱に仲間は奮い立つ。公式戦でシュートを決めさせようと結束し、実現させた。田中さんは3分半出場。左手でパスを受け、そのままシュートを決めた。
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