「中国は追い詰められた」 香港の治安法案、識者に聞く
香港で22日、民主派(左)のデモ行進をテープを張って遮る警官隊=朱延雄撮影
中国政府が香港の治安を維持する法律を制定する方針を打ち出したことを受け、香港社会で反発や動揺が広がっている。1997年の返還後、高度な自治を保障した「一国二制度」の形骸化が避けられない情勢だ。強まる中国の締めつけがもたらす絶望感から、抗議デモが過激化する可能性もある。
中国が香港の「治安法案」を打ち出した背景には何があるのか、香港市民がどう対応するのか。香港政治を研究する倉田徹・立教大教授が記事の後半で語ります。国防予算案が6・6%増加したことについても、現代中国政治を専門とする高原明生・東大教授が読み解きます。
中国政府は長年、香港政府に国家分裂などの行為を禁止する内容を含む治安関連法「国家安全条例」の制定を指示してきたが、国際的なイメージの悪化を懸念して、直接介入を避けていた。だが、昨年来の大規模なデモをきっかけに香港で独立運動が一気に高まると、中国側は法整備を自ら主導する方針へ転換した。
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