薬物を断つための「語り合い」できない 3密回避に苦慮
薬物再乱用防止プログラムでのグループミーティングの様子(法務省職員らによる再現イメージ)(同省提供)
覚醒剤や大麻などの薬物事件で有罪となった人のうち、保護観察中の人に課される再犯防止のためのプログラムが、新型コロナウイルスの影響で中断や大幅な遅れを余儀なくされている。薬物を断つ苦しさを対象者同士で語り合うグループミーティングが、「3密」にあたると判断されているためだ。
再犯率の高さが問題になってきた薬物事件。犯罪白書によると、覚醒剤取締法違反で2018年に検挙された人のうち、再犯者は66・6%にのぼる。こうした現状を受け、薬物事件で服役して仮釈放されたり、保護観察付きの執行猶予判決を受けたりした人には、各地の保護観察所で「薬物再乱用防止プログラム」の受講が義務づけられている。
まず2週間ごとの「コアプログラム」(全5回)で薬物依存の恐ろしさを学び、続く月1回の「ステップアッププログラム」で保護観察期間が終わるまで、具体的にどう薬を断つか、その方法を探る。
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